日常からの視点

「鬼滅の刃」無限列車編〜自分の「核」は明確にあるか

「鬼滅の刃」無限列車編を見てきました。見る前から素晴らしいに違いないと思っていましたが、本当に素晴らしかったです。
(この記事はネタバレ含みます)

先日まで、とあるビジネス系講座のメール執筆を担当していたのですが、その中で「鬼滅の刃」を題材にしたネタを配信する事がありました。
個人的に、アニメではHUNTER×HUNTER以来のどハマりでしたが(これも素晴らしすぎて!)、こと人物描写に関して鬼滅キャラには学ぶべき部分が非常に多いと思えるからです。
2020年の映画「無限列車編」では、丁寧に描かれた登場人物の精神世界の描写部分が非常に印象的でした。

核とは何なのか

無限列車編では、各登場人物の無意識領域、すなわち潜在意識の中にある「核」というものを視覚的に描写されたシーンが出てきます。
核とは自分の精神の中心部であり、心の中の、深い、深い、本音が閉じ込められたような部分だと解釈しています。

精神世界にある「核」は、現実世界に反映されます。
核はその人の性格、思考、言動につながる中心要素となるわけです。

無限列車編での主要なキャラクターは「煉獄杏寿郎(以下、煉獄さん)」という、炎が燃えているような髪型をした、見た目も中身も非常に情熱的な剣士です。剣士の中でも段違いの強さを持つ煉獄さんの無意識領域には炎が燃え盛っており、核の外見も炎そのものでした。

それには「自分が他人より強く生まれてきたのは、弱い人を助けるため」と言う母親からの教えが根底にあり、
煉獄さん自身も真っ直ぐにそう思って鍛錬を続けてきたからでしょう。

炎のような核には「この世界で、人々を助ける」「誰も死なせない」と言う使命が宿り、自分の役目が明確になっていることで、迷いなく、その瞬間ごとに場に適した対応をとりながら敵に向かっていきます。

主人公の核

もう一つ、主人公の竈門炭治郎の核の描写シーンがあります。
優しい性格の炭治郎の無意識領域は、まるで晴れた日のウユニ塩湖のように、湖には空の色が映り、360度美しい青色です。
その中にある核は、澄んだ光を放ち輝いています。

主人公たちは途中、鬼の術によって、夢(精神世界?)の中の世界を現実だと錯覚させられます。
夢の中の世界では、最愛の家族がいて、みんなで幸せに暮らしています。
居心地の良い夢、幸せな夢、ずっとここにいたくなるような、辛い現実とは真逆の空間。

誰でも、幸せな夢を見た事があると思います。もちろん、私も。
死んだと思った人が生きていた、ああ、何だ、元気でいるんじゃないか。そうか、病気は治ったのか。
そうか、よかった。。

そして目が覚め、夢だったと知る。
現実は、こっち。
ああ、夢が本当なら良かったのに。

繰り返し同じ夢を見ては安堵し、繰り返しそれが夢だったと知る。

鬼に家族を殺された炭治郎にとって、家族が元気に暮らしている夢の中の世界は涙が出るほど幸せで、決して現実には戻りたくないような空間です。
それでも、それを断ち切って(この映画のキャッチコピーは「その刃で、悪夢を断ち切れ」です)
「今」にコミットし、仲間と共に人々を救う道へ行く。

当初は「鬼になった妹を人間に戻す」という目的が行動の源泉になっていた炭治郎ですが、煉獄さんや仲間たち、悲しみを持った鬼、たくさんの人と出会い、成長することで、「目的意識」からもっと大きな「役目意識」に変わってきているように見えます。

曇りのない核を持つことで、偽りの幸せに身を埋めるのではなく、自分の使命を全うするため現実へ戻るという正しい進路を選ぶことができました。

核の破壊

じゃあ、もし核がなかったらどうなるのか。
進むべき進路も見出せず、判断力も鈍り、何をしたらいいのかわからない、目的を遂げるまでに挫折してしまう、といったことが起こります。

私たちにとって核とは、生き方を左右する重要な要素であるということ。
作中では、自分の核を破壊されそうになる主人公たちが、それぞれの方法でそれを阻止します。(このシーンもめちゃくちゃ心が熱くなります!)

自分には核があるか

最後には人柱となって人々を守り抜く煉獄さんのセリフ。

「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせない!」

もー本当にカッコよすぎです。
こんな信念のあるセリフ、言えた試しがないですよ。
(こんなん一生言えないし)

そもそも、自分の核はどんなものだろう。
自分の人生の役目ってなんだろう。

私は「自分の核はこれです!」と言いきることがいまだにできなくて、いつもフラフラと場当たりな役割を請け負っているような感じがします。
それは何か使命を持ってやっている事だろうか。
求められたら答える、やりたいと思ったことをやってみる、だけどそれは使命感からじゃない。
だから時々これでいいのかな?って思ったり、手が止まったり、行動がスムーズに行かないこともあります。

思えば「会社に属せず収入を得るようになる」と思ってブログを始めたのも、他に手段を知らなかったからだし、
運よくそれで上手くいって、人に教えるようになったのも求められたからだし、
もちろん、求められたからには関わった人たち全てに喜んでもらえるように全力で頑張るけど、その場にいるのは結果論であって、自分から進んでお役目とか使命と思って何かを始めたことなんてなかったんじゃないかと思います。

使命とは、もしかしたら後になってから「ああ、これが私の使命だったんだな」みたいにわかってくることかもしれないけど
現在進行形で、天命とも言えるような自分の役目を意識できていれば
よりエネルギッシュで、感動を与えられるような人間にさえなり得る。

既に自分の核に気づけてる人が、自分の夢を叶えるといったフェーズを超えて、かなり高い次元にいるってのも目の当たりにしています。
私はまだまだ掘り下げている途中、それでも今年は新しい出会いや学びに恵まれ、初めて「もしかして、私のお役目はこれなのかもしれない」と思えることに挑戦しています。まだ確信は持てませんが。。

同じ方向を向いた人たちと繋がりながら、人間的価値をもっともっと高めていきたいと思えたことは、鬼滅のストーリーからも影響を受けたことでした。次回作(未定だけど)も楽しみでしょうがない!

▼おまけ
煉獄さんのかっこいい台詞をまとめてくれているページがありました^^
本当に、心が震えるような言葉だらけです!